6月5日の西田・田辺記念講演で使うために、1961年のゲーデルの講演原稿の訳を作成して公開した。ただし、講演で使う所のみ。ハイゼンベルク関連の訳語を決めるために、物理学史が専門の明治大学の稲葉肇さんにかなり助けてもらった。京大文現代文化科哲史の出身で、現役時代は僕の演習などにも良く出て来てくれていた。
彼やその仲間が和訳したカーオの「20世紀物理学史」上、下、を献本で頂いて、それを読んで「ゲーデルと数学の近代」の最後のピースをはめることができたし、我々のヒルベルト論文を読んでもらった時には、「論文の目的がわからない」というコメントをもらい、なるほどそうだと気が付き、単なる史料研究になってしまっていたヒルベルト研究を止めた。その後、たまたま京都学派に手を出したお陰で、「ゲーデルと数学の近代」のピースがはまり始めたわけで、そういう意味で、彼には色々と助けて貰っていることになる。