数学セミナーの記事完成

日々の記録

数学セミナーの「数学基礎論(知の階層)」が完成。2段組の校正を送って来てくれたが短くしなくても良いとのこと。少し余裕がありそうなので2階算術の意味を少し追加しておいた。

今回は形式系の完全性もホーキングにならって「真なものが証明できない」という風に書いた。ペアノ算術に話を限っておいたので、普通の数学者、そして数理論理学者の立場からすれば、ペアノ算術は正しい理論なのだからそれでよい。もう細かいことは気にしない。大学の先生を辞めると気が楽だ。(^^)

これに関連してブラウズをしていて不完全性定理の解説を詳しく書いている人のサイトを見つけた。数学基礎論と数理論理学の違いを岩波文庫の私たちの本の解説で知って大変驚いたという意味のことが書いてあったが、この二つの違いのことなども「ゲーデルと数学の近代」に独立した記事として書くと良さそうだ。

僕がまだ若かったころ、日本にMLG Mathematical Logic Group というものがあった。もっぱら命題論理関係の研究している人たちの集団で、僕が所属していた前原昭二先生を中心とするグループと違い、PAとかPM, ZFのような数学の形式的体系は扱わない人たちという印象があって、実際、MLGと前原グループの間にはあまり交流がなかったように記憶している。(Googleったら、MLG まだやっていた。(^^;)なんと僕が始めて命名したSLACSもやっている!驚き!?)

それで、なんとなく、若くて何も知らない僕は、数理論理学(Math. Logic)=命題論理よくて述語論理、という風に理解していた様な気もする。そして、これは僕だけではなかったはずだ。

で、数理論理学と数学基礎論が世界標準では異なることに、どうして気が付いたかというと、もうあまりに前なのでちゃんとは思い出せない。多分、海外に良く出るようになって、日本で「数学基礎論」と言っている意味で、皆が Logic と言っているのを知ったからだろうと思うけど…ただ、シュプリンガーの有名な本のシリーズに Logic & the foundations of mathematics というのがあるが、これに何となく違和感があったのが腑に落ちた記憶がある。

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