InteractionOverview図とは |
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コントロールフローの大まかな流れを示すために使う図。 |
Keywords |
InteractionOccurrence(インタラクション発生) |
Interaction Overview図の例 |
最初に、InteractionOverview図の具体的な例を示す。
Interaction Overview図は、インタラクションの流れをフロー図の形で示す。 Activity図の表記法を借りているので、Activity図を用いたことがある人には、 使いやすい表記に見えるはずである。
この図での「告知」「投票」などのフレームは、すべて他のInteraction図(主にはシーケンス図)を
参照している。参照の時には、フレームのヘッダ部分に「ref」という文字を使って示す。
ここでは他のシーケンス図への参照のみを用いたが、内容をわかりやすくするために、これらのフレーム部分に
直接シーケンス図の中身を書いてもよい。
Overview(概略)という言葉の示すとおり、基本的にInteraction Overview図には、インタラクションの 概略だけを示すようにする。全体の見通しをよくするのがInteraction Overview図の狙いだからである。
また、表記中に{}でくくった時間制約を書くこともできる。 この時間制約の表記の細かい内容はTiming図の項に譲ることとするが、 たとえば上の図では、告知から投票まで10日以上を要することを明記している。
シーケンス図を書き直す手法 |
一般に、シーケンス図をしっかり書くと、その内容は大変煩雑になりやすい。 特に、UML2.0で導入されたフレーム表記を用いると、分岐やループなどもフレームを用いて描けるが、 場合によってはわかりにくくなる可能性もある。
Interaction Overview図は、シーケンス図の内容をフロー図に書き直すことも可能にする。 以下に具体例を示していく。
シーケンス図のaltフレームを書き直す | ||
→ |
シーケンス図のloopフレームを書き直す | ||
→ |
Activity図との違い |
上の図からわかるように、Intaraction Overview図の見た目はActivity図に大変近い。
表記法も、Activity図の表記を用いているので、
一見するとAcitivity図との違いがわかりにくいかもしれない。
Activity図との違いは、Acivity図ではObjectNodeが描かれる場所に、
InteractionOccurrenceのフレームが描かれることである。
(上の図でいえば、「告知」などがこのフレームにあたる)
UML2.0の仕様書には、「最も純粋な形では、すべてのActivityはIntaractionOccurrenceである」とあることから、
Interaction Overview図で描かれるのは抽象度の高い段階での振舞い(の概略)であるといえる。
なお、もう1つのActivity図との違いとして、Interaction Overview図では、 次に説明するTiming図で用いられるような時間表記も含めて示せるところにある。