Welcome susumuhayashi 

2013年9月10日(火曜日)

共立数学文献を読む会 講演資料

先週末、東京の共立出版で、数学文献を読む会で講演。前回が2007年。
講演資料:http://www.shayashi.jp/kyoritu2013.pdf


2011年12月4日(日曜日)

田辺「思想」特集号論文校了

カテゴリー: - susumuhayashi @ 12時08分47秒 記事編集

岩波「思想」2012年1月号の最終校正をメールで送る。これで校了。ふーッ。

再校が来る直前に新しいことに気が付いて、かなり手直しをさせてもらった。
岩波の対応は、今回も他の出版社とは違い、この際だから、良くできるものは、
ちゃんと良くしましょうというものだった。批判も多いが、やはり岩波は学術的には、
他の出版社と一線を画す。またまた脱帽。

物理、特にテンソル関係の話が、田辺の「切断」の着想の一つになっている可能性が
大きい。全集の種の論理の冒頭の論文が、種の論理以前の「図式「時間」から図式「世界」へ」
であるように、物理、特に一般相対論の世界のイメージの、「世界」の問題が、種の論理の
先駆として大きいことは、以前から指摘されている。それに加えて、「数理哲学」も、この
物理に対する思想がカタリストになっている可能が大きくなってきた!ますますコーエン的というか、
「科学概論」の時代の田辺のコーエン哲学の解釈との同型性が顕になってきた。
そう考えると、田辺の「トンでも性」は、実に腑に落ちる。むしろ「保守的」だったのだ。
#ヒルベルトが「保守的」だったというのと、同じ意味での「保守」。数学では、
#それが本当に保守すべき主流になったが、哲学では消え去ってしまったので、現代からみると、
#「トンでも」に見える。

ちなみに、テンソルとは W.Voigt が作った
用語で、テンションから来ている。このVoigtが使い、佐藤省三も昭和9年の哲学研究の
論文(「社会存在の論理」と同じ号)で引用しているテンソルの図示の方法が、
切断に似ている。Voigtのもとの図式は、それほど似ていないのだが…
ちなみに、Voigtは独逸語読みではフォイクトだそうだ。デンマーク読みだとフォークト。
独逸の人がオランダの読み方だと違うかもしれないなどといっていたから、
どちらかというと独逸本体以外の名前なのかもしれない。
FORVOでは、デンマーク読みでフォークト、独逸語でもフォークト。
http://ja.forvo.com/word/riborg_voigt/#d
http://ja.forvo.com/word/voigt/
佐藤はフォーグトと書いている。
ゲッチンゲンの物理の教授で、学長もつとめていて、ヒルベルトの物理の公理化の
研究についての Leo Corry の著作でも取り上げられていた。


2011年9月17日(土曜日)

Geschichte der Autobiographie

片付けをしていてでてきた 05/2010 Vol.53 Comm. of ACM の特集記事 Beyond
Total Capture。Lifelogging は僕が omnipresent log と呼んでいるものの
個人、人間版。Memex を lifelogging の祖先としているが正しいか?
で、いろいろ考える。

情報歴史社会学の基本手法を使って、それを生み出したエートスを
考えてみると、すぐに思いついたのが、ドイツ語圏の Nachlass
のエートス。なぜ、ゲーデルは伝票まで残したか。なぜ、カルナップ
はライフログのような速記を残したか。なぜ、田辺(心は半ばドイツ人!)の史料は圧倒的
に残っているのか。我々歴史家は、なぜ、このころの歴史を史料で
手に取るように知ることができるのか。それの記録が残される対象が
記録を自発的に残さない限り、この当時は lifelogging はでき
ない。それを装置を腰にさげる、首にかけるだけでできるようにしよう
というのが、現代の IT Lifelogging。そう考えれば、すでに
lifelogging はあり、それは自伝とも関連するだろう。

宇佐美さんが言っていた、中華文明は手書き文字の美しさに
価値を見出すので、下書きなどが残らないという現象が本当ならば、
これは丁度反対のエートスが働いていたともいえる。では、日本では?

少し調べたら、自伝という分類の書籍は日本では明治以後。
自伝という言葉はいつから使われた始めたか?これも西周あたりの
可能性が大きいだろう。おそらく日本には自伝の概念がない。
日記はむしろ有名なものが多い。これも lifelogging だろう。

回顧録はどうか?回顧録は自伝とは
区別されるようだが。回顧録、自伝とも lifelogging (記憶を含む)
の解釈 and/or データマイニングの結果であることに注意。

既存研究がないかと思い Google ったら、なんと、先日、
田辺関係で調べていたとき(ブルトマン関連か?)に出てきた
マールブルグの Misch の Geschichte der Autobiographie にあたる。

以前から気になっていたカルナップ・アーカイブなどの lifelogging 的性格と
あわせて、調べる必要あり。20世紀中ごろまでは、
ドイツ語圏の方がエートスが強かったという
気がするが、今は圧倒的に英語圏だろう。この変化は何か?


2011年7月23日(土曜日)

modern arts 板垣鷹穂著作

カテゴリー: - susumuhayashi @ 12時17分43秒 記事編集

板垣鷹穂著作
1.モダン都市の新形態美
和田博文編. – ゆまに書房, 2009. – (コレクション・モダン都市文化 / 和田博文監修 ; 51).
収録著作情報
優秀船の芸術社会学的分析 / 板垣鷹穂 [著] 新しき芸術の獲得 / 板垣鷹穂 [著] 機械美と写真 / 堀野正雄 [著]
人環総人
1F 和書
361.7||K||32||51
200015077120
200015077120

2. 新カント派の歴史哲學 板垣鷹穂著. – 改造社, 1922.7. – (文化哲学叢書 ; 第2編).

日本哲学
6||I-1||1
8690970936
97051601


2011年5月30日(月曜日)

京都学派と新カント派

カテゴリー: - susumuhayashi @ 21時17分49秒 記事編集

1.田辺全集、4巻、月報、務台理作「京大来任当初の田邊先生」
大正四年の末であったか、五年のはじめ頃であったか、京大での西田先生の哲学概論の講義に
田邊先生の名が出てきた。それは『哲学雑誌』に発表された田邊先生の論文、新カント派における
「論理主義の限界」にかんするものであった。その折西田先生は、ようやく日本で流行になりかえて
きた新カント派の論理主義
について話され、直観主義の上から批判された。
2.戸坂潤、1936年(S11年)、現代の哲学と宗教、「思想と風俗」より:日本にはヨーロッパ・アメリカに行なわれた
哲学が凡て一応は輸入紹介されている。そしてそのどれかの一哲学の相当忠実な信奉者は探せばいつもいないことはない。
しかし、世界大戦直後の頃、最も有力なるものとして現れたのは、カント主義または新カント主義であった。なぜその時に
なって有力になったと称するかと云えば、その時期になって初めて、この哲学学派が経済学や法律学・自然科学の領域に
或る種の実を結ぼうとし始めたから
である。
 この哲学は日本に一時、方法論全盛期を画したのであったが、….


2011年5月29日(日曜日)

新カント派文献

カテゴリー: - susumuhayashi @ 15時50分25秒 記事編集

Neo-Kantianism in Comtemporary Philosophy
edited by R.F.Mkkreel, S.Luft, 2010, Indiana Univ. Press
イントロから:The present volume is the first of its kind to be published
in English, and it is published in the hopes that it will secure Neo-Kantianism a
significant place in comtempolary philosophical discussions.
これも論文集。本はまだでてないということ。Kohnke の英訳だけとのこと。


2011年5月14日(土曜日)

Yet another paper on Riehl

カテゴリー: - susumuhayashi @ 01時16分54秒 記事編集

Heidelberger, Michael.
From Neo-Kantianism to Critical Realism: Space and the Mind-Body Problem in Riehl and Schlick
Perspectives on Science - Volume 15, Number 1, Spring 2007, pp. 26-48

http://muse.jhu.edu/login?uri=/journals/perspectives_on_science/v015/15.1heidelberger.pdf


2011年5月7日(土曜日)

史料メモ#124ついて

カテゴリー: - susumuhayashi @ 23時16分21秒 記事編集

田辺は新カント派の学の哲学の凋落、生の哲学の勃興を、ドイツワイマール共和国の危機の時代に重ね合わせている。
#124の「現象学に於ける新しき転向」はドイツ留学帰朝後の秋に出版されている(1924, 大正13年10月思想36号)。
留学は大正11年3月より大正13年1月(帰朝)。つまり、1921年春ころから1922年冬頃までドイツに居たこととなる。
この時期とは史上有名な第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレの時代。
http://de.wikipedia.org/wiki/Deutsche_Inflation_1914_bis_1923
http://en.wikipedia.org/wiki/Hyperinflation_in_the_Weimar_Republic
英語のWiki記事のグラフが視覚的だが、数字としてはドイツ語の記事の下の方にある表がわかりやすい。
いずれにしても、田辺滞在の1年間にマルクは、およそ10-100億倍のインフレを経験したことになる。
 田辺は、このヒトラーを生んだとも言われる過酷な経済状況を目の当たりにしている。ただし、田辺自身は英国ポンドで
支払いをすます戦勝国日本の帝国大学助教授である。この経験は田辺に何かを残したのだろうか?残こらなかぅたとしたら、
かなり鈍感ということになるが田辺はあまり実社会に実は拘ってないというか分かっていない可能性はある。
調べるとしたら日記か?留学中の日記はあまりなかったはずだが…それに田辺は、そういうことは日記にかかない人だ。
手紙はどうか?


2010年11月7日(日曜日)

分有、融即、参加

カテゴリー: - susumuhayashi @ 02時37分17秒 記事編集

岩波文庫「種の論理」の藤田さんの解説を読んでいて、田辺が最初の種の論理論文「社会存在の論理」で大幅に依拠した、レヴィ・ブリュールの分有の法則のフランス語が、loi de participation であることに気が付く。これは今年の春ごろか、あるいは、昨年度の藤田さんの講義・演習で、指摘があったことだが、participation という語をすっかり忘れていた。Teilhabe, participation の重要性を理解できた今となっては、藤田さんが、言っていた、「participation」の訳としては、分有は適当でなく「融即」の方が良いという主張も良く理解できる。ただ、融即は確かに意味をうまく表現する言葉ではあるが、やはり academic jargon という気がするので、簡単に「参加」でよいのでは….


2010年10月11日(月曜日)

Lotze などの本続々届く

カテゴリー: - susumuhayashi @ 14時41分10秒 記事編集

Amazon に注文していた Lotze, 新カント派関係の本が続々とどく。anonymous 本ではなかった。Holzhey という人がキーバーソンか?海外には、こういう新カント派の研究者が少しはいるらしい。Natorp, Rickert が理解のポイントか?


2010年10月10日(日曜日)

Grenze, Lotze,….

カテゴリー: - susumuhayashi @ 02時35分17秒 記事編集

Holzhey: Natorp und Cohen:: Grenzbegriff, Grenzlogik, Grenzmethode, … Grenze の概念の理解に良いか?

p.224f に、Lotze weist dem kategorischen Urteil das Denkgesetz der Identitaet (sowhol bejahend in der Formel A = A wie verneinend als <
>) zu, ….

Lotze から Hilbert への影響はないか?
Lotze の影響力:http://www.iep.utm.edu/lotze/
http://plato.stanford.edu/entries/hermann-lotze/
# Lotze’s influence was far-reaching and not yet widely admitted or well understood.

Hilbert のギムナジウム時代の哲学・論理学の教科書とか…

Google Books に大量に Lotze の英訳がある。こういうのが直ぐにダウンロードでいるのは、本当に便利。文献を徹底的に調査する人文学者ならば、Google Books が如何に凄いかわかるはず。一般の人や、中途半端な学者にはわからないだろうな…(それと主に日本語で知らべる人もそうだろう)。Amazon で Lotze の英語版の新品がかなりあった。安い! 例の “anonymous 版” の類か?


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